2016年度のプログラムが終了しました(更新日:2016年12月21日)

(2014年度国外調査)イブニングサイトビジット: SWNI(スウィニー)

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調査先:SWNI(スウィニー)
調査日:8月28日
文責:石川県能美市 嶋田准也(2014年度参加者)

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2004年に東京財団が自治体職員向け人材育成プログラムを開始して今年で11年。初めの5年と、その後6年とで、プログラムの形態と内容は異なるが、一貫して実施してきているのが、米国オレゴン州ポートランド市での調査である。今年もポートランド州立大学(Portland State University:PSU)とのパートナーシップの下、11回目となるポートランドプログラムが実施された。

7泊9日の本プログラムは、(1)市内探索、(2)講義、現場視察・ヒアリング、(3)イブニングサイトビジット、そして(4)特別セッション(イノベーション・ラボ)で構成されている。

上記(3)「イブニングサイトビジット」とは、ネイバーフッドアソシエーション(日本の自治会のようなもの)の集会や議会の公聴会等、実際に住民が集まり議論する現場を訪れ、住民が自分たちの地域のことを真剣に考え議論する様子を見学するなど、「現場」を体験するプログラムである。これに加えて「住民リーダーに会いに行く」と言うテーマが追加され、民間の立場で公を担っているNPOの代表などの話を聞く機会を得た。住民が “自分ごと”としてまちづくりに携わる様子を肌で感じることができ、実に多様な住民参加の現場を体験することができるライブ感がイブニングサイトビジットの魅力である。

以下は、イブニングサイトビジットとして訪問したスウィニーの訪問レポートである。

参加者レポート

スウィニー(SWINI:SW Neighborhoods, Ink.)は、ポートランド市南勢地域にある17のネイバーフッドと3つのビジネス協会を統合した連合体である。今回は、Venture Portlandの会長のランディ氏と事務局長のヘザン氏、交通計画のCIC委員を務めるマリアン氏の3名にビアストーミングの形式でお話を伺った。

Venture Portland(ベンチャーポートランド)は、ポートランドの50ビジネス区を束ねる商工会のような組織であり、ポートランド全体の雇用の約50%、25万人の会員がいる。98%が5人以下のマイクロビジネスと呼んでいる商店である一方、アディダスや大病院、UPSなどの大規模な起業も所属している。会員に対し、教育的、技術的サポートを行っているNPOである。

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ポートランドの持続可能性の要素の一つに、徒歩圏内で買い物ができることがある。また、ポートランドは地域を大切にする人が多く、ビジネスオーナーも近くに住んでいる、客も近所であるから関係も良くなり、人にやさしい街の雰囲気にも繋がる。コミュニケーションを重視したビジネスが店側にも客側にもあり、知っている人からものを買いたいという意識が日常であるとのこと。

土地利用のゾーニングの計画に関して、ベンチャーポートランドとしては2つのことを要求しているという。一つは現行、ストリートには25%以上の窓の設置となっていることを、60%以上に。もう一つは、ミックスユース(住居があっても良い)でも、窓があって、一回は店舗であることを要求しているという。ポートランドでは、各種計画についてはネイバーフッドの意見を聞く義務が法律で定められているが、ビジネス界に聞く義務はないので、行政的には楽な方へいくことがあるという。そのためにも、聞いてくれるために、大きな声を出す。とのこと。やはり声を上げなければ聞いてくれないし、行動を起こさなければ巻き込めないという、日本の他社依存的なものとは別な、それぞれの行動が起点になっている考え方を感じた。

スウィニーの住みやすさで重視しているところは、1)安全、2)交通、3)土地利用、4)教育、5)公園、6)河川地域の保護 であるとのこと。特に、安全と交通を重視しており、公共交通を使い、安全であれば、まちに人が歩き、ビジネスもうまくいくという考えであるとのこと。マルトノマネイバーフッドは、人口約4000人程度で、常時SWINI等の活動を行っているのは20〜25人程度。問題があった時に、自然な動きとして、関わる人を増やすアウトリーチ活動を行い、継続して関わりを持ってもらう努力をしているとのこと。少人数でも大多数の人を動かし、少人数の思いから、まちづくりが始まるという言葉は、日本での講義で同じことを聞いたことを思い出した。ただ、日本との違いは、問題があったら、考えるだけではなく声を上げ、行動を起こすという選択を、住民自らもっている、自分たちがまず動く意識があることが、アメリカ、ポートランドの住民の熱を感じる部分であった。

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