2016年度のプログラムが終了しました(更新日:2016年12月21日)

(国内視察)三鷹市市民協働センター ~東京都三鷹市②~

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視察先:東京都三鷹市
視察日:2009年9月4日(金)
文責: 宮城県登米市 岩渕治(研修生)

研修生36名は、3つのグループに分かれ、地域活性化について先進的な取組みを行っている自治体を訪問しました。東京都三鷹市グループは、独創的な取り組みの多い三鷹市で都市型のまちづくりの数々を視察しました。

※ レポート①は → こちらから

みたか市民プラン21会議の活動について

三鷹市では1960年代より市民参加による計画行政が行われてきた。1970年代初頭には基本構想のための「まちづくり市民の会」が発足し、また、住区ごとに市民協議会が設置され、活動拠点であるコミュニティー・センターの運営が住民に任されるなどの仕組みを確立してきた。1999年10月には基本構想・第3次基本計画の策定に向け、「白紙からの市民参加」による提言を行うため、「みたか市民プラン21会議」が発足し、三鷹市とパートナーシップ協定を結び、行政との協働により、市民の意見を基本構想・基本計画に反映させる取り組みをしてきた。2006年8月には三鷹市と市民討議会の実施実現を進めていた三鷹青年会議所との関心が一致し、日本初となる行政共催による「まちづくりディスカッション2006」をパートナーシップ協定のもと行われ、全国のモデルとなった。

運営方法として、18歳以上の市民1,000名を無作為抽出し、87名の参加承諾者から公開抽選で60名選出し、「子どもの安全安心」をテーマに質の高い提案を報告書にまとめ、市に提出された。

Mitaka_web_edited1.JPG 有効性が評価された2006年の取り組みにより、翌年には「基本計画改定に向けたまちづくりディスカッション」へと繋がる。この取り組みは、テーマの性質上、行政主催の形をとりながらも協働の実現を求め、実行委員会を設置し三鷹青年会議所や市民団体、公募市民で構成し、三鷹市が事務局を担うという形式で運営され、ここでも、1,000名の市民を無作為抽出し、参加を承諾した73名から公開抽選で60名を選出し市民討議会が実施された。
同市の基本計画では31の施策が分かれ内容が多岐にわたるため、その中でも重要な3つのテーマに絞って市民討議会を行い、「三鷹の魅力(課題)」については、自然に恵まれているが、その保全など整備が必要で、コミュニティーバス等きめ細やかな公共交通が望まれる。「災害に強いまち」については、避難経路・場所や支援物資の確保のほか、誰でも正しい情報を入手できる状況が望まれる。「高齢者にも暮らしやすいまち」については、地域や異世代とのコミュニケーションの機会、医療情報や道路に代表されるインフラ整備の推進等々について市民討議会で出された市民の意見とそれに対応する市の施策の表などが報告書として提出され、具体的政策形成に活かされることとなる。
こうして三鷹市に根付いた無作為抽出法市民討議方式は中央自動車道インターチェンジ開発計画時に住民投票請求が出された係争的課題においても、討議を行い市民の意向をひとつにまとめあげる重要なツールとなる。

ここで、無作為抽出法市民討議方式について、着目したい。
政策サイクルで見た場合、計画→決定→実行→評価のそれぞれの場面で住民参加はありえる。計画段階では情報を伝えるために、住民アンケート、公聴会、説明会、住民集会、パブリック・コメント、委員会、審議会など実施する。決定の段階では、議決、住民投票、評価の際は外部評価、市民評価もある。
「住民の声を尊重する」ことは、とても重要であるが、「広く把握する」ことは容易な事ではない。委員会・審議会の参加者は学識Mitaka_web_edited2.JPG経験者や団体代表などで構成し、各団体の利害が反映されやすく、多くの市民の意見が反映されない点がある。公募型市民会議や住民集会においては、同じ顔ぶれで、少数の不特定住民の参加になりがちで、利害関係者または団塊世代の特定の社会層になりやすい。
また、住民投票は住民全体の意見ではあるが、賛否のみを聞くだけになってしまう。パブリック・コメントについては、不特定住民の声を聞くことはできるが、利害関係者の声が大きいものとなってしまう場合がある。
「小さな声にも耳を傾ける」ためにも、無作為抽出による市民討議は各年齢層から抽出され、その中から参加意欲のある市民が集まり、真剣で活発な討議と質の高い提案が出される。この手法により市民参加の経験が無かった方が参加するきっかけとなり、地域に関する情報を市民と行政が共有するとともに、地域が直面する課題を「みんなの課題」と実感し、無作為に選ばれた市民の代表である参加者を通じ、市民同士や市民と行政が一緒に課題や解決策を模索、提案し、実行していく地域として形成が図られる。

今後の課題としては、無作為抽出される対象の市民について、地域に暮らす外国籍市民や18歳未満の自由な意見も汲み取れる仕組みも構築する必要がある。
また、計画を策定する市長や行政への市民参加は熱心に行われてはいるが、市民意思の最終決定を成す議会にこそ、決定する前に市民が参画し、提言していくことに意義があり、議会への市民参加の構築をどう図るかが課題となる。

活動の報告を受けた後、「市民協働センター」の施設を見学した。
まちづくりの拠点となるセンターは「つなぐ(協働)」「ささえる(支援)」「つむぎだす(参画)」をコンセプトに各種講座やセミナーの開催、NPO法人設立の無料相談、活動協力者登録制度など多岐にわたり活動を行っており、現在、NPO法人18団体を含め、市民活動団体129団体が登録し、活発に施設を利用し活動をおこなっている。