2016年度のプログラムが終了しました(更新日:2016年12月21日)

次世代が育ち、活躍する地域を創るために ~社会起業家との連携を通して~

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講師:宮城治男(NPO法人ETIC.代表理事)、西辻一真(株式会社マイファーム代表取締役)、竹本吉輝(株式会社トビムシ代表取締役)、畦地履正(株式会社四万十ドラマ代表取締役)
講義日:2010年9月5日(日)
文責: 宮城県登米市 T.H.(研修生)

Etic1.jpg 地域産業と若者の連携で動き始めた地域の事例に学び、インターンシップや創業支援など若者に機会を提供しつつ、地域が変革していく方法を考えた。また、地域における次世代への変革と創造に社会起業家が果たす役割、そのビジネスモデルと効果的なパートナーシップのあり方、ならびにその新しい可能性について考えた。

●NPO法人ETIC.代表理事 宮城治男氏
今回は、様々な場所で自治体や行政と連携しながら活動を展開している社会起業家の方々をお招きしました。具体的な地域の取り組みの事例をお話をしていただいて、皆さんにとっても、地域で連携をしたりこれからアクションを起こすにあたり、どんな手法があるのかイメージを持ってもらえる時間としたいと思います。自治体職員の皆さんには、地域を変えていく主体者になっていただきたいですし、これから期待されていることだと思います。ご自身の地域と重ねながら、親近感と当事者意識を持って聞いていただければと思います。
・NPO法人ETIC.ホームページは→ こちらから

●株式会社マイファーム 代表取締役 西辻一真氏
マイファームは、日本Etic2.jpgの農業における問題の解決に取り組み、自然に触れ合うことで現代人が生きいきと生活できる社会の実現を目指して活動をしております。その活動として、全国のどこにでもある休耕地を活用して事業をしようと考えました。新しいものをゼロから作るのではなく、地域にある土地がもう一度使われ、雇用の場にもなるという観点で、事業を行なっております。
もともとは「休耕地があるのに使わずにして、食料自給率が下がっているのはおかしい」という問題意識から事業を始めましたが、地域が抱える課題はそれぞれ違うので、まずは都市部の休耕地を使って市民農園や体験農園から始めました。
今年からは、農業の担い手の育成と言う目標も加え、「マイファームアカデミー」という、より多くの人により自由に農業を学べる機会を提供する事業を始めました。一般的な農業大学校との違いは、コースが修了したあともしっかりと場所、技術、お金、道具などが準備されていて、継続的な支援が受けられることです。この事業を通じて、農業ができる人材が増えていくことで、より多くの休耕地が再生されることを期待しています。
行政との連携にも意義を感じています。学校の統廃合により、地域から農業高校がなくなってしまった自治体で、マイファームがその自治体にある高校の農業指導者となり、先生と高校生、そして地域の農家といっしょに荒れた農地を再生しました。高校生が地域に残り、夢を持って、農業を受け継いでくれるようにすることが目標です。この取り組みは、自治体との連携がなければ実現することができなかったと強く感じています。
・株式会社マイファーム ホームページは→こちらから

●株式会社トビムシ 代表取締役  竹本吉輝氏Etic3.jpg
私たちのミッションは、地域の眠れる資産を顕在化し、人々の連綿たる想いをつなぎ、再びの共有へと向かう世の流れを創造することです。中山間地域に眠れる一番の資産は森林であると認識しており、このような流れを創造するには、森林の持つ役割を世の中にしっかりと喚起していくことが欠かせません。農業にしても漁業にしても、森林がしっかりと維持されていなければ、その先に大きな発展はないからです。
その活動の一つが「共有の森事業」です。この事業は、地域資産としての森林に光をあて、森林を再び地域の共有資産として地域の人々が大切にし、有効に活用できる仕組みを作ることを目的としています。商品化することで、森林の多様な価値を可視化し、持続性のある長期的な森林資産価値の向上を目指しています。
私たちが主に事業を行っている岡山県西粟倉村は、「百年の森林事業」という事業を特別会計で取り組んでいます。日本人は土地に対する想いが強く、森林の所有権を完全に移転させることは難しいので、森林所有者が包括的な森林施業管理と木の販売処分権を村役場に委ね、役場・森林組合・トビムシの三者による森林管理基本合意書を締結しました。この合意書にもとづき、施業は森林組合が実施し、新規のマーケットを開拓し世の中に売り出す部分をトビムシが担っています。数多くの人がこのプロジェクトに参加する仕組みにしたので、森林が活用、再生されるだけでなく、地域に雇用も生まれています。
また、持続的な活動にするためには、地域に根付くお金が必要であるとの考えから「共有の森ファンド」というファンドをつくりました。トビムシの活動をしっかりと明示して投資を募集しています。単なる資金調達ではなく、個人としてひとり一人が地域の枠を超えてトビムシの活動に参加できる、社会的な関係性創りの重要な手段と考えています。
・株式会社トビムシ ホームページは→こちらから
・岡山県西粟倉村「百年の森林事業」の仕組み(図)は→こちらから

●株式会社四万十ドラマ 代表取締役 畦地履正氏
四万十ドラマは、四万十特産の商品の開発・販売を中心に、素材も人も、地域の力にこだわったコミュニティビジネスを行っています。このような事業を展開していくためには、熱い「想い」がなければなりません。志がなにより大切なのです。
四万十ドラマの商品に、新聞バッグがあります。地元のおばちゃんが考案した新聞で作った手作りの手提げですが、形や強度に改良を重ねていくうちに、今ではアメリカで売られるまでに至りました。
Etic4.jpg このようにコミュニティビジネスというのは、小さいことから始まるものです。おもしろいことは足元にいっぱいあります。最も重要なのは、それに光を当てられるか、そしていかにそれを磨くことができるかです。コミュニティビジネスにおいて大切なことは、現場を知り、生産者を知り、その想いを売ることです。
私たちは、そのつなぎ役である地域プロデューサーだと考えています。今までの地方の商売には、地域にある当たり前にあるものを活かし、ビジネスを起こすという視点に欠けていたのではないでしょうか。地元には何もないと決めつけ、無い物ねだりをしてきたと思います。
行政にかかわる皆さんが「地域づくり」をするうえでも、地域にあるものを膨らませる大きな志・ビジョンが大事だと思います。皆さんも、自らの地域にある面白いものを見つけ出し、今まで捨てていたものから色々な商品や物事を生み出すべく、是非いま一度地元を見つめ直してみてください。
・株式会社四万十ドラマ ホームページは→こちらから