2010年09月01日
アメリカの地方自治を学び、日本の地方自治について考える Vol.2
日時:2010年6月27日(日)9:30~12:00
講師:西芝雅美(ポートランド州立大学行政大学院 助教授)
ポートランド研修の成果をどう活かすか?
日本とアメリカの地方自治の制度は全く異なるものです。日本では憲法、および地方自治法に規定された二元代表制(首長と議会議員を別々に選挙で選び、その地域の住民のための政策を実行していく)を採用していますが、アメリカの地方自治体は州憲法、または州法により設立・運営されており、住民の意思により地方自治体の機能と種類が規定されています。
多種多様な地方自治体が存在するアメリカと、一種類の形態の自治体しかない日本では学ぶことがないのではないか、と思うかもしれません。しかし、住民の意思により成立してきたアメリカの地方自治からは多くのヒントを得ることができると思います。例えば、ポートランド市では、市の予算編成の過程において市民参画が義務化されています。また、開発など地域に関することを決定する場合は近隣組合(Neighborhood Association,自治会のようなもの)の意見を聞かなくてはなりません。ポートランド市民は、公共問題を話し合う市民会議への出席率が他の自治体よりも高く、近年ポートランドの市民活動はますます活発になっています。市民会議や公聴会は、通常夕刻に行われており、実際にどういった事業内容を、どれだけの住民が、どのように話しあうのかを生で見聞きすることができると思います。
大切なことは、「地域のことは地域の住民が責任をもって決める」と言う取り組みの意義を深く理解し、学ぶことだと思います。皆さんがそれぞれの地方自治体や地域をより良くするために、ポートランドで学習したことをどのように活かすか、ということを常に意識していただきたいと思います。 ![]()
ポートランドでの研修成果を活かす一つの手法として、「ステークホルダー分析」が役に立つと思います。「ステークホルダー分析」とは、プロジェクトを推進する上で鍵を握っているアクター(ステークホルダー)を説得し、賛同を得る方法です。ステークホルダーに「予期される利益と損失」を理解させ、「賛同を得るために何が重要かを考えて説得材料、方法を探し出すこと」を訓練し、実践することが、自分の成長となるでしょう。
ポートランド研修では、何を学ぶか、そしてそのために何をする必要があるかを自分自身で決めることが大切です。広場のマーケットで市民と話しても良いし、公聴会にでるのも良いと思います。色々な体験をし、多くのヒントや視点を得て、皆さんの自治体や地域での取り組みに活かしていただければと思います。
文責: 奈良市 上野 貴清
※ 2010年8月に、参加者は8日間ポートランドに調査に行く予定です。現地での調査報告は、本サイトにて掲載いたします。


